2011年2月2日水曜日

写実風景の曽根茂



今月は曽根茂氏の作品を展示させていただいております。
細密な風景画、立ち止まる人の多い事!!


いつから曽根さんと作品を知り仕事をし出したか?
もう8年位経つだろうか・・。

京都の老舗画廊の店主の進めがきっかけだった。
「すごい、おもろい奴がいるんやー。」
作品を最初見た時からストレートに、緻密に描く上手い「本物」だった。

作品を知ってから作家を知る事が常のこと、
曽根さんとも最初は作品を見て・・作家の印象そして性格を探った。

まだ画歴(絵描としての経歴)が少ししかない画家。新人の彼の唯一知った歴は最終学歴。

     なんと、京都大学 卒業!

純粋に「何故、絵描きを志すのか?」と失礼ながら頭から「?」が離れなかった。

私は絵描の世界は学歴なんて関係ない!絵に対する志の強いものが認められるのだ、と思っている。
でも通常は何処かの美術に携わる学校を卒業しているのが殆ど。
潜在的にそれが常識と思っていた自分の観念が覆された~。

それから後にお会いして曽根オリジナル額縁を作る仕事で度々話し合う機会ができた。
彼の記憶力や細かな指示に圧倒されたのを覚えている。
絵描きとしての強い信念を持っていたのも最初からだった。

私は沢山のむずかしい先輩画伯とお仕事させて頂いているので、受身な身構えだったが年下の作家、上手くこちらの意見も伝えるようにしようと曽根作品に合う色んな額縁を考え提案していった。
いや、対等にやらないとこの作家の志に失礼だ、と思った・・。


それから
月日が流れて額縁のやりとりは少なくなり、定まった形が整った。、
曽根さん自身もデパート等の美術画廊で発表する「画伯・先生」になった。

なったと言っても本人は威厳など全く見せない。
相変わらず、礼儀正しく・気遣い深い・気さくな性格、も変わらず
そして自分自身でこだわる絵描きオタクも同じ(笑)!


今は、曽根茂氏が京都大学(考古学専攻)卒の画家である意味と価値が大いにわかる。

これからもこだわりを捨てず進化するだろう作品と
                 これからも変わらないであろう、驕らない性格。
それが、絵かきの曽根茂

 
      曽根 茂 ブログ

ヤマモトのショーウィンドー


ヤマモト店舗のある御池~三条の寺町通り、昔からここは人通りが多い。

雰囲気が良い・落ち着いた商店街!などの印象で地元をはじめ、観光客、京都通の遠くからの方々までも好んで歩いて下さっているようだ。
古くからどっしり構えてらっしゃるお店、個性的な物を扱うお店など・・。

ここで店舗を構えて長年、額縁屋を運営しながら、ふと忘れがちになってしまいます。

そんな中、「ガクブチのヤマモト」が沢山の通ってくださる方々との接点を持つには?ヤマモトの仕事を分って頂くには?

           私達の本来の仕事を純粋に見せることだ!

・・・それは、普段からアーティストの方々と考え、作り上げて行き、かたちにして(美術館、ギャラリーなどで)発表する。

                   それをしよう!

額縁だけで展示していたショーウィンドー、いつも作家さん達との発表の場にしよう!!


この1年、ヤマモトのウィンドーは毎月ごとに携わりある作家さん達との仕事を展覧して行きます。


今月2月は、洋画家 曽根 茂さんです。

曽根さんとは世代も近いのでデビュー当時から親しくさせてもらっております。
~次回は展示状況と曽根さんの事について・・・。

2010年11月26日金曜日

決して新しくない新商品



ガクブチの可能性を探る中で、斬新なモノを生み出そうと、色々な角度からいつも考える。
ものづくりする以上新しいものを生み出す事は誰しもが苦闘する当たり前の悩み。

そんな中、いつもグルグルと同じところにはまり込み、行き詰まる。

額は、中に入れる作品にとっては保護する為の機能であるが、人にとっては装飾に過ぎない。しかしその装飾に新しい意匠を作為に作るほど野暮ったい額屋ヨガリは無い!誰も装飾に新しさは望んでない。
なので、人に対して機能的にするには?
の、ところを簡単に単純に組み合わせた。


斬新、から離れ、
額本来の加工は今まで通りしっかり手をかけ仕上げるが、簡素な装飾。

機能面は・・
額縁を 『箱』 にするだけの簡単な機能。

だけどアンティークで鈍なデザイン、大切なものを入れておきたくなる。
飾ってみたくなる。

大きく変わりゆく世の中で新しい事に注目が行く中
「新しい・古い?」や「和・洋?」とかじゃない所を見据え
ヤマモトは、先人から教わった良き作為を残し変化させ、発信してゆく。

良きものは残る。

2010年10月22日金曜日

ヤマモトの可能性

改めて初心から考えなおす事があります。

ヤマモトは額縁を提供するという媒体での商店を長年務めております。
製造から携わって販売をし、沢山のお客様に提供しております。
知られておりませんが一点からでも削り出し製作する額縁店は全国的にも(有るのかな?)まれでしょう。

そんな最中、絵画作家にとどまらずあらゆるクリエーター、専門家の方々とも仕事をさせていただいております。
一般のお客様よりむしろそういった各専門家の方との仕事が大半を占めているでしょうか。
結果、一般のお客様に対しては難しい、買いにくい、入りにくい!というマイナスイメージを持たれている事、とても反省すべき点です。
京都の繁華街で色んな方々が通り、ショッピングを楽しんでいらっしゃる所でお店を開いております。
沢山の専門家の方々に教わった経験を生かし、あらゆる皆様に提供できるよう改善を試みる次第でございます。

先ずは接客対応でわかりやすくアプローチする事をもっと心がけます。

もっと安い額縁をおいて欲しい!というご要望もございます。
しかしヤマモトのこだわりは安く粗悪な額縁を作りたくありません。
メーカーさんから安悪品を仕入れたくもありません。もちろん安価でも良いものは提供するようにします。

しかし第一にヤマモトのお薦めしたいのは「魅力」ある「価値」ある、額縁であります。
いや、額縁という概念から離れる域での「魅力」ある「価値」ある、も模索し皆様のもっと身近な存在になるモノを創造してゆきます。


ガクブチのヤマモト 店主より

2010年8月3日火曜日

55年前の映像

数日前に驚きと感動でツイッターで55年前映像の写真について載せておりましたが、
なんとその映画のDVDを入手することができた。すごい時代だ!(驚き後3日で!)


先日のこと、仕事の合間に初老のお客様が来店された。
小さなスナップ写真を数枚お持ちになられていたのでそれの額縁をお探しか!と
お話を伺おうと聞き耳を立てると・・・どうも話が違う方向を向いている。
数秒間だけ理解修正に間をとってしまったが、すぐにその写真を覗いて凄いものだと分かった。

昔、写真屋もやっていたので古い写真で我が店の佇まいはおおよそ知っていたのでそれが古いヤマモトの写真だと分かった。
でもどうしてこの老人がお持ちなのか?
私の中の不思議はまだ取れずお尋ねした。

「ワシは昔、錦の魚屋で働いていてこの辺りも良く配達に来たので懐かしい!
このあいだな、昔の日活映画を見ておったらこの辺りが写っておってなー、ちょうど働いとった時くらいやってなー、アサヒ会館のビルが東郷青児のタイル絵やってなつかしい映像やってねー。」
確かに現在も建つ河原町三条北東にある朝日ビルは昔、洋画家の東郷青児が制作した作品が
一面を覆っているインパクトあるビルとして有名だったらしい・・。
「その次、あんた所の店も映ってたしなー、この辺もう随分変わってしもうたけどまだやってはるし、あんたらの知らん時代やろう教えてあげよう思ってテレビから撮ったんや!」

すごい!確かに左隅に[REGZA]って書いてある(笑)。でも上手く撮れていた。

わざわざ写真をプレゼントしに来てくれた事、その写真が貴重な当社の証である事、それが映画の1シーンである事(俳優は三橋達也と北原三枝―当時のスター)、おじいさんがテレビに向かってそれを撮ってくれている行為。

そんなこんなで沢山の驚きや懐かしや嬉しさ。
沢山の感動しまくりでした。

しかーし、何かお礼をしたかったのに名前も名乗らず帰られてしまった!
それが後悔!
何とかまた会えることを願っておこう!
7月31日に写真を下さったおじさん!ぜひもう一度ヤマモトに来てください!!


ps-この写真はDVDからの写真
1955年日活映画「愛のお荷物」 監督-川島雄三 










2010年7月21日水曜日

当ヤマモトギャラリーにて

めったにブログを更新しておりませんが、
ツイッターと連動してお知らせなどは告知して行きます・・・。



早速ですが、7月25日までヤマモトのギャラリーにて、京都市立芸術大学日本画学科の大学院生による作品展を開催しております。

新たな試みのこの作品展は院2回生2人と川嶋渉先生による授業の一環もかねたような3人展です。
作家として発表の体験をプロである先生と同じ目線で作り上げてゆくもので、生徒さんはかなりハードなものだっただろうと察します。
川嶋先生もこの試みに学生がしっかり仕上てくれるのか不安視されていたことでしょう。
私もいつもの大学生現役のグループ展としか考えていなかった。

ところが思いを裏切られた。(良い意味で!)

画廊内ら溢れるほど二人とも沢山描きあげていて、短時間でよくここまでもって来れた事は個人的に驚いております。
中でも画廊奥スペースの壁面に展示された絵はヤマモトギャラリー史上最大で圧巻!まるで壁にペイントしてあるのかと間違えるほどほぼ全壁面・絵!

絵の内容の良し悪し・好き嫌いは人によって感じるものは違うでしょう。
作家のタマゴなので、これから沢山描いて色々変化してゆくでしょう。
ただ今回の展覧会をエネルギッシュに立ち向かった結果に拍手したい。

この経験を可能性の一つの糧にして下さい!!

ヤマモトギャラリー
〒604-8091京都市中京区寺町通り姉小路東入ル北側
http://www.framing-y.com/access/


2010年7月9日金曜日

額縁という言葉

この仕事を長年(代々)しているけども、恥ずかしながら額縁の言葉の意味・語源なんてモノを調べた事がない。

知らなくても差し支えなく仕事できているんで、どうでもいいんですが・・・。
でも気まぐれに、軽くPCでウィキペディアで調べたら・・・
語源は、 「額(ひたい)」の「縁(ふち)」から来るものと考えられる。・・って??そのままかい~!

しょーもないなぁ~~と自身の想像力の無さで
語源ネタは終止符を打つ所だった。

でもツィッターでその事語れば、お世話になっている画家さんから素敵なコメント。


「額(ひたい)とは、顔って事かな。じゃあ縁は髪の毛?髪の毛は重要ですよね。(丸刈りもさっぱりしてていいけど。)私のセットも宜しくお願いします〜。」
やって!

何だか、くすぐったぃ嬉しいコメント。

俺って絵(作品)のヘアーデザイナー!みたいなもの?

いや、浮かれるんじゃなく、それくらい重要な役割って事かな。

額縁か~
悪くない言葉に思えた。

でも「樂縁普及発表会」という題字の「樂」は
古き楽しきものであってほしいので、あえて「樂縁」と書かせていただきます。